Jim Shaw: My Mirage

アメリカ独自のユートピア的／ディストピア的宇宙論のブリコルアーであるジム・ショーは、アメリカの宗教史のテーマを1960年代から70年代のカウンターカルチャーのモチーフと結びつけ、しばしばこれらの物語を統一するためのルーブリックやシリーズを作り出す。
ショーにとって最も初期のものである。1986年から1991年にかけて構想されたこの作品は、章立てされ、170点近い作品で構成されている。
1960年代から70年代にかけてのカウンターカルチャーの渦中に吸い込まれた、白人の中流アメリカ人ショーの架空の分身・ビリーの放浪を描いている。 郊外での生活を拒否し精神病の幻覚に蝕まれ、サイケデリックな異教カルトに入信するが、がて必然的に青春時代の宗教に戻り、キリスト教原理主義者として「生まれ変わる」。
このビジュアル・ビルドゥングス・ロマンのために、ショーは児童書から現代アート、宗教文学、サイケデリックなポスター・アートまで、幅広い図像を並置している。
このプロジェクトは当初から、理想的な形として書籍のフォーマットを想定していたため、このエディションはアーティストとの緊密な共同作業によって制作された。 私の蜃気楼』は、戦後アメリカにおけるヴァナキュラー文化や宗教的生活の荒々しい両極について、ショーが最も簡潔に述べた作品のひとつである。


ISBN-10: 3037641878, 13: 978-3037641873
p.240, 25.9 x 20.1 x 1.5 cm
2011/10/31